植物を育てるうえで欠かすことのできないもの。
「水」や「栄養」を思い浮かべる方も多いと思いますが、もうひとつ、とても大切なものがあります。
それが「光」です。
私たち人間にとって太陽の光が身近な存在であるように、植物にとっても光は、生きて成長していくために欠かすことのできない存在です。
では、なぜ植物には光が必要なのでしょうか。
今回は、植物と光の関係について、できるだけ分かりやすくご紹介します。
植物は光を使って成長している
植物が光を必要とする大きな理由が、「光合成」です。
植物は葉から二酸化炭素を取り込み、根から吸収した水と光のエネルギーを利用して、自ら成長するために必要な養分をつくっています。
そして、その過程で酸素を放出します。
私たちが普段何気なく目にしている太陽の光は、植物にとって、成長するための大切なエネルギー源なのです。
そのため、十分な水や栄養があったとしても、光が不足すると植物は思うように成長できません。
葉の色が薄くなったり、茎が細く伸びたり、成長が遅くなったりすることもあります。
「植物を育てる」ということを考えるとき、水や肥料だけではなく、どのような光を、どのくらい与えるのかということも非常に重要になります。
光は多ければ多いほど良い?
では、植物にはできるだけたくさんの光を当てれば良いのでしょうか。
実は、そう単純ではありません。
植物にはそれぞれ適した光の強さがあります。
強い光を好む植物もあれば、比較的弱い光でも育つ植物もあります。
必要以上に強い光が長時間当たり続けることで、葉が傷んだり、植物に負担がかかったりする場合もあります。
反対に光が不足すると、十分な光合成ができず、生育に影響することがあります。
つまり大切なのは、
「たくさん光を当てること」ではなく、「植物に適した光環境をつくること」です。
これは水にも似ています。
水が植物にとって欠かせないからといって、たくさん与えれば良いわけではありません。
植物の種類や成長段階、気温、湿度などに合わせて必要な量を考えることが重要です。
光についても同じように、植物の状態や栽培環境に合わせた管理が求められます。
太陽光だけではない「植物の光」
植物を育てるための光というと、まず太陽光を思い浮かべると思います。
もちろん、自然の太陽光は植物にとって非常に大切なものです。
一方、近年の施設園芸や植物工場、水耕栽培などでは、LEDなどの人工光を利用した栽培も行われています。
人工光を利用する大きなメリットのひとつは、栽培環境に合わせて光を補うことができることです。
天候や季節によって変化する自然光に対して、人工光を活用することで、必要な光を補助することができます。
特に屋内での栽培では、太陽光だけに頼ることが難しいため、植物育成用LEDなどが重要な役割を担います。
ただし、人工光を設置すればそれだけで良いというわけではありません。
植物との距離、照射する時間、光の強さ、栽培する植物の種類など、さまざまな条件を考える必要があります。
光の「色」も植物に関係している
光には、私たちの目には白く見えていても、さまざまな波長が含まれています。
植物は、その中でも特定の波長の光を光合成や成長に利用しています。
植物育成用LEDを見ると、赤色や青色の光が使われていることがあります。
青色の光は葉や茎などの成長に関わり、赤色の光も光合成に利用される重要な光のひとつです。
また、植物の種類や成長段階によって、光に対する反応も異なります。
現在では、こうした植物と光の関係を利用して、栽培環境に適した照明を取り入れる技術も発展しています。
ただ明るくするだけではなく、植物がどのような光を必要としているのかを考えることが、より良い栽培環境づくりにつながります。
光と水は深く関係している
植物の生育を考えるうえで、光だけを切り離して考えることはできません。
光が強くなれば、植物の光合成や蒸散などの活動にも影響します。
そして植物が吸収する水の量も、気温や湿度、光の強さなどによって変化します。
晴れた日と曇った日。
暑い日と涼しい日。
植物が必要とする水の量は、いつも同じではありません。
だからこそ、安定した栽培を目指すためには、
光・水・温度・湿度・栄養などを、それぞれ別々ではなく、ひとつの「栽培環境」として考えることが大切です。
植物の状態を見ながら、それぞれの環境を適切に整えていく。
そこには経験だけでなく、さまざまな設備や技術も活用されています。
より良い栽培環境をつくるために
農業を取り巻く環境は、少しずつ変化しています。
気温や天候の変化、人手不足、資源の有効活用など、これからの農業にはさまざまな課題があります。
その中で、植物が必要とする環境を理解し、適切に管理していくことは、安定した栽培を考えるうえでますます重要になっています。
水をどう届けるのか。
光をどう確保するのか。
温度や湿度をどう管理するのか。
そして、それらをどのように組み合わせていくのか。
一つひとつは別の要素に見えますが、すべてが植物の成長につながっています。
植物を育てるということは、単に水を与えることでも、光を当てることでもありません。
植物が育つために必要な環境そのものを整えること。
それが、より良い栽培につながっていきます。
水紋社では、水や栽培環境に関わる設備・技術を通して、それぞれの現場に合った環境づくりを考えています。
自然の力と技術を上手に組み合わせながら、限りある資源を大切にし、これからの農業と未来につながる仕組みをつくっていく。
植物に降り注ぐ一筋の光も、その大切な要素のひとつです。

